2011年09月16日

素顔の筑紫哲也さん --元秘書が語る日本を代表するジャーナリストの思い出--

[このイベントは終了いたしました。]
みなさまのお陰様でとてもいい会になりました。どうもありがとうございました!
また、次回もユニークなゲストをお招きして楽しい講演を企画したいと思っております。
どうぞ、ご期待ください!


素顔の筑紫哲也さん.jpg

――元秘書が語る日本を代表するジャーナリストの思い出――


【ジャンク派 クリエイティブ・カレッジ 第1回講演】


広く社会に開かれたジャンク派独自の学びの場を創造し、
「今」の時代にとって意義深いテーマを扱い発信していきたいとの切望から開設されたのが、
このジャンク派 クリエイティブ・カレッジです。

毎回、ユニークで多彩なゲスト講師・パネラーの方をお招きし、
他では聴く事の出来ない価値ある講義を展開していただきます。

その第1回目にお迎えするのが、
名キャスターとしてお馴染みの故 筑紫哲也氏の元秘書 白石順子氏です。



2008年11月に筑紫哲也さんがお亡くなりになってから、早や3年が過ぎようとしています。
生前、19年間にわたる『NEWS23』のキャスターとしては、その庶民目線とリベラルな報道姿勢に多くの視聴者から絶大な支持を受けてこれらました。

3月11日の大震災を経験し、多くの問題を抱える日本の局面とも言える現在にこそ、筑紫さんのような反骨精神のある真のジャーナリストがいてくださったならと多くのみなさんが望んだことでしょう。

30年間にわたり、筑紫哲也さんの秘書としてご活躍された白石順子さんに筑紫哲也さんの思い出を語っていただき、その素顔やお仕事振りを語っていただく会を、クリエイティブに人生を切り開く人達によるウェブマガジン「ジャンク派」主催で開かせていただくことになりました。
一般メディアでは決して取り上げられなかった貴重なお話しを聞かせていただける場になりそうです。

また、筑紫さんの秘書というご自身の「ご職業」についてのお話しをおうかがいできるのも、非常に興味深く思います。

筑紫さんに親しみや敬意を感じてこられた方はもちろんのこと、クリエイター・表現者を目指し、これから社会に旅立とうとする若者たちにもぜひ聴いていただきたい講演会です。


講師・パネラー:白石順子氏(筑紫哲也氏元秘書) 聞き手 チェン・スウリー(ジャンク派 代表)
日時:10月29日(土曜日)14:00〜16:00
場所:四谷ひろば(東京メトロ 丸の内線 四谷三丁目駅 2番出口 徒歩5分)
参加費:1,000円
定員:50名 

要予約 事前にメールかfaxにてお申し込みください。定員になり次第、締め切らせていただきます。

【当日のご参加も可です。】

mail:junk.ha.web@gmail.com
fax :03-6314-3235


白石順子氏プロフィール

福島県生まれ。
戸板女子高校、桜ヶ丘女子学院卒業後、契約社員としてテレビ朝日入社。
高視聴率ニュース番組「こちらデスク」でキャスターの筑紫哲也氏と知り合う。「こちらデスク」番組スタッフとして朝日新聞社へ出向。
83年、テレビ朝日退職後、筑紫哲也氏が立ち上げた個人事務所「オフィスミオ」へ秘書として入社。
筑紫哲也氏から絶大な信頼を受け、約30年もの間、有能な秘書として、筑紫氏を支える。2008年11月、筑紫哲也氏逝去により、「オフィスミオ」を閉鎖後、人との出会いを大切にした筑紫哲也氏の薫陶を受け、様々な交友関係の下、シンポジュームのパネラーなどで活躍中。

map.jpg

企画・主催 ジャンク派 / ピカリ・アートテラス http://t-elegan.jp
    
    
posted by ジャンク派 at 14:19 | Comment(168) | 【トーク・セッション】

2011年09月22日

【社会と職業とアートと】 第4回 アーティストの休息(前編)

   
第4回イラスト.jpg
   
   
アーティストの休息(前編)
   
   
早いものでこの連載も4回目、
当初は「読んでくれる人はいるのかな…」と内心ドキドキでしたが、
少しづつ読者の方の反応が返ってきているようで嬉しいばかりです。

そういえば、「イラストのうさちゃんの名前はなにか?」というご質問頂いたそうで、
この場を借りてお答えしますね。

正直言うと、いつも落書きのように描いていたうさぎなので、
今まで名前はなかったのですが、せっかくなのでこの機会に名前を付けました。

命名「丘田ウサコ」ちゃんです!!
(イラストは適当に描いたのに、名前会議は結構難航してたり…。)
今後もこの子はイラストで度々登場するかと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

さて、前フリが長くなりましたが、この辺で徐々に本題に入りましょうか。

節電の夏も終わり、9月に入りましたが、みなさんこの夏をどう過ごされましたか?

ちなみにくまころは入社したばかりで有給がまだとれない為、
あまり遠出ができなかったのですが、博物館で恐竜と仏像を見て来て
元気をチャージして参りました。

遠くへ旅行に行けなくても、お金がそんなになくても、
国境も時代も空間も超えていろいろなものに出会える美術館・博物館・劇場等々の文化施設は、
つくづく本当に素晴らしいと思います。

自分の余暇を好きなことに使えるって幸せ…と感じました。

ということで今回、次回の2回では
「休憩時間・休暇等」について話して行きたいと思います。


● 休憩とは

今回の主題の「休憩」について労働法の考えでは
休憩時間とは「労働者が労働義務を離れて自由に使用できる時間とされています。

一般的に考えても、休憩というのは1日のうちで仕事している合間にどのタイミングで休むか、
どれくらい休むかという問題ですよね。

すなわち、「仕事する時間と休みの時間の配分をどうするか」の問題なので、
休憩について考えると、どうしても仕事をする時間(労働時間)の方も
同時にも考えなければなりません。

そのため休憩時間について話していて、
しばしば労働時間の話になってしまいますが、まずはしばらくお付き合いください。


● 休憩/休暇は健康で文化的な生活のためにあるもの

そもそも休憩や休暇について労働基準法が規定している理由は、どこにあるのでしょうか?

労働基準法1条は
「労働条件は労働者が人たるに値する生活を営むための必要を満たすべきものでなければならない」
としています。
つまり労基法は労働者が人間らしく生活できるような働き方の基準を定めているのです。

労基法の基準では、1日8時間(32条2項)、週40時間(32条1項)、
拘束時間8時間以上の場合は1時間、6時間以上の場合は45分の休憩が必要と
されています。(34条1項)
そして、休暇については週一回以上、もしくは4週で4日以上(35条1項)としています。


● アーティストの労働時間について

とはいうものの、アーティストの方についていえば、
一律に1日どれくらいで仕事の量を測りづらいですし、
ある仕事が完成するまで集中して休憩をとらない方が能率的なこともあるかもしれません。
だから安易に労基法の基準と比べることに意味があるとは、私も思いません。

「明日は舞台公演の初日だからみっちり稽古したい」とか、
「締め切りが三日後の原稿を作成中」とかいう場合に、

今日はもう8時間働いたからこれ以上は働いては駄目!と規制することは、
アーティストの皆さんの大事なお仕事の妨げにしかならないですし、
労基法の趣旨からしてもそのような規制が、
「人たるに値する」生活を営む為に必要なものとは考えていないはずです。

また、フリーで活動している人とどこかに勤めている人では状況が違う
(労働法の適用対象か否かが異なる)というお話も毎回しています。

とりあえずここでは、いったん労働法の規制を紹介した上で、
アーティストの労働時間はどうあるべきか考えていきましょう。


● 労基法による例外的な労働時間制度 @変形労働時間制

世の中に様々な職業がある中、例えばホテルの夜勤や、
24時間営業の飲食店等々上記のように一律に労働時間を定めてしまうと、
かえって仕事がしにくくなる業種もあります。

その様な業種の場合は、変形労働時間制をとっている事業者が多いと思われます。

変形労働時間制(労働基準法32条の2〜5)を採用している場合には、
上記の時間以上働かせても大丈夫になります。

具体的には労使協定またはそれに準ずるものによって、
一か月、一週間、一年などの一定の期間でそれぞれ平均して
1日8時間、週40時間の基準を超えないよう規定すればよいのですが、
ややこしいので例をあげておきます。

変形時労働時間制.jpg
(一日8時間の基準は超えているが、1周40時間の基準は超えていないので、その旨労使協定等で定め、行政庁に届けていれば労基法違反にならない)


● 労基法の例外 A裁量労働制とは? 

この他にも労基法の中には労働時間の配分を労働者に委ねる
裁量労働制(労基法38条の3〜4)という制度があります。

これは、これくらいの仕事量ではこれくらいの労働時間というものを定めておくと、
労働者が実際に働いた時間とは関係なく、
その時間内で働いたとみなされる「みなし労働時間」が適用されるという制度。

平たくいえばこの制度を導入すれば、
予め雇う側と働く側で定めた時間内で働いたとみなされるため、
何時間働いても給料は同じということ。

使用者にしてみれば労務管理のコストが削減でき、
仕事の早い労働者の方ならば短い時間の労働で同じ給料がもらえるというメリットがあります。

(※とはいっても、全ての業種でこの制度を採用するのは難しい為、
労基法では専門業務型裁量労働制(38条の3)の対象となる19の業務を定めています。
一部をあげると、
(3)新聞または出版事業の取材もしくは編集業務
 放送番組の制作のための取材もしくは編集業務
(4)衣服、室内装飾、工業製品、広告等の新たなデザインの考案の業務
(5)放送番組、映画等の制作の事業におけるプロデューサー又はディレクターの業務
(6)広告、宣伝等における商品等の内容、特長等に係る文章の案の考案の業務(いわゆるコピーライターの業務)
(8)建築物内における照明器具、家具等の配置に関する考案、表現又は助言の業務(いわゆるインテリアコーディネーターの業務)
(9)ゲーム用ソフトウェアの創作の業務 )

この制度は、ある時期はとっても忙しいけど、
それ以外の時期は比較的余裕があるという様に
業務内容の密度にムラがある業種に向いているそうです。

特にゲームの開発等の場合、
グラフィックデザイナーさんは開発当初はキャラクターのデザインや背景など
膨大な量のデータを作成しなければならず忙しいそうですが、
開発後半は既に作ってあるデータの調整やバグの除去などで比較的楽な作業で済むらしいです。
(ゲーム業界詳しくないので、実情に詳しい方情報求みます! 何か違ってたらごめんなさい。)

この様に時期によって業務の内容に密度の濃淡がある場合、
たとえば開発当初の忙しい時期に一日12時間働いていて、
後半の暇な時期は一日4時間で済んだとして、
全体を通して一日8時間の労使間で決めた基準内で働いたと「みなす」ことができる制度なのです。


● 「裁量労働制」の問題点

以上、ざっと労基法の規制を見てきましたが、
雇用契約のもとで働く労働者に対しても常に一定の時間を決めて働かせる訳ではなく、
各職場や仕事の状況や時期によって、
比較的臨機応変に労働時間を配分できることが見えてきたのではないでしょうか?

特に裁量労働制、働く時間を自分で決められるというのは、
自由度が高く感じる上に一定のお給料は保障されるという点、優れた制度にも思えますよね。

でも、一方でこの制度を導入する場合、
残業代の未払い問題が発生しやすいというデメリットがあるのも事実です。

どういうことかというと、
働く側が時間配分を自己管理していたとしても、
仕事量が圧倒的に多い場合、結局暇な時間が発生せず、
常に長時間労働で働くことになってしまう訳です。

こういった労働者の場合は「みなし労働時間」が適用されても、
それ以上働いた分は本来残業代が発生します。

例えば一カ月で前半の2週間は納期の関係で忙しくなるはずだから、
一日12時間労働させても、後半の2週間暇なはずだから大丈夫と思っていたのが、
結局仕事の依頼が増えて後半の2週間も12時間労働になってしまったら、
本来ならば裁量労働制のもとでも基準外の労働時間は残業として割増賃金が生じるのです。

しかし、ことによっては
「労働者が実際何時間働いたか管理していないので超過分を把握できないから、割増賃金を払わない」
という雇う側の逃げ口上に裁量労働制が使われてしまう恐れもあります。


● フリーゆえの問題点

一方でフリーのアーティストは舞台に立つにしろ、
作曲するにしろ、絵を描くにしろ、仕事を完成させなきゃお金がもらえません。

時間がいくらかかったかで報酬の額を決めることは、通常ありません。
長く働いたからその分、余分にお金をよこせ!とは言えないのです。

まあ、長時間かけた分良いものができたなら、その分交渉の余地はあるのかもしれませんが…。

例えば作曲の依頼を受けて、「一日10時間頑張りましたが出来ない」場合もあれば、
逆に5分ですごい名曲がひらめくことだってあるはずです。

でも、そこで出来上がった作品の出来がどちらも同程度なら、
何時間働こうが対価は同じになってしまいます。

仕事が完成しなければ、休憩をとりたくても働き続けなければいけないし、
一つの仕事は短時間で済んでも全体の仕事量が多ければそれをこなすのに時間がかかる。

この点、やはりとりあえず給料分は保障される裁量労働制のもとで働く労働者とは
同一に語れないという側面は否定できません。


● 「裁量労働制」と「フリーのアーティストの労働時間」の共通問題

しかし、雇用契約では提供した労働力に対して、
請負契約では完成した仕事に対してお金が払われているという違いはあるのですが、
どちらもその為に「時間的な拘束が生じ、働く側の肉体的・精神的な疲労が伴うのは同じです。

結局、人間であれば休まずに働き続けるということはできないので、
労働者の場合はそれを法で規制し、残業代を余分に払わせるという負荷をかけることで
雇う側に、労働者を過剰に働かせないようブレーキをかけているのです。
(この点、逆にいえば日本の労働時間規制は残業代さえ払えば、
 ある程度の長時間労働も可能になってしまう為、改善の余地があるのではと私は思うのですが)

大事なのは、「生活するために働く」というのは、
必ずしも「お金をもらうために働く」とはイコールではないということ。

裁量労働制のもとで残業代が出ないのは言語道断ですが、
仮に長時間働いてその分お金をもらえても、身体を休める時間や精神的にリフレッシュしたり、
自分の為に使う時間がないのは、やはり人間らしい生活とはかけ離れてしまうと思います。

フリーの方だって、それは同じ。
自分で仕事をする時間を決める、いつ休憩するかを決める、
それは働く側には都合のいいことです。

でも、自分で働く時間を決めているからといって、
果たしてフリーで働く人たちが皆さん本当に
「人たるに値する」生活を送れるような休息をとれているのでしょうか?
 
個人的な意見ですが、このように時間と仕事量を自分で決めて働くというスタイルは、
仕事の為に費やしている時間とそれによって得る対価の釣り合いがとれないと
成立しないのではと思います。

ここにアーティスト全般に対する労働時間の問題点も見えてくる気がします。
なんだか、今回も記事の内容が迷走状態ですが、次回、後編でこの問題更に掘り下げて見ましょう。


※ 補足:前回(第3回)でお話した最低賃金、
首都圏のものは平成23年10月1日発効で改定されますのでご参考までに。
→埼玉 759 (750)、千葉 748 (744) 、 東京 837 (821) 、 神奈川 836 (818)
カッコ内は平成22年度版

※ とりあえず首都圏のものをあげました。全国版は厚生労働省HPをご参照ください。
http://www2.mhlw.go.jp/topics/seido/kijunkyoku/minimum/minimum-02.htm#01
    
    
     
くまころ
   
   
   
posted by ジャンク派 at 20:04 | Comment(242) | 【社会と職業とアートと】