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[番外編] 鈴木亮介さんインタビュー
第3回 「未来への提言編」
全三回にわたって連載してきた「鈴木亮介ロングインタビュー」も、
今回で最終回です。
最終回では、鈴木さんの仕事や今後についての展望などを伺っていきたいと思います。
ライター・論作文指導者として仕事をする鈴木さんの今後について伺います。
※ 記事中、鈴=鈴木亮介、金=金井孝介、チ=チェン・スウリー
金 「まず記者として、仕事をする上で心がけていることを教えてください」
鈴 「予定稿を作らないことですね」
金 「予定稿というのは?」
鈴 「例えばテレビ局の夕方のニュース番組だと、
私たちが画面を通じて見ているのはキャスターだけですが、
そのほかにも記者はもちろん、ニュースデスク、カメラマンや編集チーム、
タイムキーパーや技術スタッフなど大勢の人が関わって、
一つの番組のオンエアに向けてチームで動いています。
個人の仕事ではないので、例えば一つの項目を担当したら、
その尺(分数)が決まっていて、ストレートニュースなら1分、特集なら3分とか4分半とか
限られた枠内で収めなければなりません。
さらには、事前に「こういう映像を使ってこういう構成で、こういう内容です」ということを
事前に決めなければいけません。
取材中、カメラマンに「こういう画を撮ってくれ」と伝えなければならないし、
ニュースに間に合わせるためには編集チームにも構成を同じように伝えます。
でもそうすると、それを崩してはいけないという発想になり、
予定稿に沿った質問ばかりになってしまうんですよ。
極端ですけど、「自分の意図に合うように返してくれないと困る」ってなっちゃうんですね。
そうすると絶対にいいものは作れないと思うんです。
でもテレビ局とか新聞社とかサラリーマンの世界では、そうしないと生きていけない。
その点僕は、そういうことをしなくてもいい仕事が多いので、
なるべく事前の準備はしないでいこうと思っています。
ある程度予想はしないと、何を質問していいかわからなくなりますが、
可能な限りその場で出た答えから「どうしていこうか」と考えることが大切だと思います。
当然効率は悪くなるし、原稿書くスピードは遅くなるんですけど、その方がいいかな、と」
金 「なるほど。ちゃんとこだわりがあるのですね」
鈴 「本当は「こだわらないことがこだわりだ」くらいにかっこよく行きたかったんですけど、
こうして振り返ってみると結構こだわってますね(笑)
昔は敢えて下調べをしないで取材に行ってました。
「この人はどこの誰だかわからない」状態。
それでうまくいく場合もあるのですが、相手が有名人だったりすると
「こいつは全然俺のこと調べないで来たな」って思われちゃって、
そのあとの取材がうまくいかなくなるケースもありますね。
金 「記者の仕事をする上で欠かせないものは何ですか?」
鈴 「あ、これは記者の七つ道具と勝手に呼んでるんですが…」
鈴木流 記者の七つ道具
鈴 「まず名刺と、メモ用紙ですね。ノートとかたいそうなものではなく、
自分の場合はA4の裏紙を縦半分に折って、ホチキスでとめて使ってます。
それから、4色ボールペン。
ライブハウスの取材だと暗闇で書くことが多いので、色を変えて区別をしますね。
時系列とか、どっちのバンドの話なのか、などをわかりやすくするためです。
そして、赤ペン。
これは作文指導の方ですが、一般的に先生とかデスクとかはペンテルの赤ペンを使うんです。
でも僕は筆圧が強いので、これを使っています。色がやや濃いのも気に入っています。
あとは…携帯電話はいたって普通のやつです。
スマートフォンを試しに使って時期もありましたが、
電池の持ちは悪いし、視覚を思いのほか使うので、疲れますよね。
ボタンなら手元を見ずとも、片手でメールが打てる。
というわけでスマホは買って1ヶ月で「卒業」しました(笑)
それと、デジタル一眼カメラです。
毎日は持ち歩いていませんが、最近はライターが撮影も兼任することが多いですから」
チ 「カメラは元々習っていたのですか?
いきなりプロ並みの画質を求められるわけですよね。
特にライブの撮影なんて大変だったのでは?」
鈴 「いや、たまたま一眼を所持していたというレベルで、
一切習ってませんし本を読んだこともなかったので、まったくの素人です。
でも、特段勉強していないと仕事にならないとか、学校に入らないといけないのか、とか、
そうした心配をする必要はないですよ。やる中で覚えていけばいいのですから。
ライブの撮影はフラッシュ厳禁なので、絞りとシャッタースピードで何とかするのですが、
これは大きな取材でプロのカメラマンさんと一緒になった時に、教わりました。
学校で習うよりも、実際に現場で経験を積んで、失敗した方がいいと思います。
カメラに限った話じゃなくて、すべてのことに言えますけどね」
金 「とても大事な話ですね」
鈴 「学生のうちにどんどん失敗した方がいいですよ
失敗していいと思っちゃダメですけど、
失敗しちゃいけないと思いながらも、失敗を恐れないことですね」
金 「では、論作文指導で気を付けていることは何かありますか?」
鈴 「それはけっこういっぱいありますね。
細い小さい字で弱々しく指導しないとか、
表現方法はともかく考え方を絶対に否定したり強制したりしない、とか。
あとは僕自身字が汚いので、なるべくきれいに書くように頑張ってます、とか(笑)
あ、そうそう、それに関して「字をきれいに書きなさい」って子どもに言うじゃないですか。
あれは全く意味がないんですよ」
金 「意味がない?」
鈴 「そんなことを言われただけですぐにきれいに書けるのなら誰も苦労しないです。
字が汚い子は2種類あって、1つは頭の回転が早すぎて書くのが追いつかないっていうのと、
もう1つは単純にものぐさだっていうのと(笑)
だからものぐさな子に対しては、きれいに書くことがメリットになるようにもっていくんです。
例えば、好きな女の子に手紙を書くとなったら、絶対きれいに書くと思うんですよ。
テストの時に字が汚かったら減点するとか、そうすることでいい方向に持っていければいいんです。
でも頭の回転が早い子の場合に「字をきれいに書け」と言ってしまったら、
「こいつは俺のことをそんな小さな視点でしか捉えないんだな」と、
そこでいろんな可能性が閉ざされてしまいます。
あと、漢字等の間違いは受験作文でない限りほとんど気にしないです。
文章に苦手意識を持っている子は、せっかく苦手ながらも頑張って書いたのに、
そんな赤ばかり入ってしまうと、努力を否定された気持ちになって、やる気を失ってしまいます。
書くことが楽しいんだ!っていうことに気づける可能性を大人が削いでしまってはいけません。
だから自分は「添削」はしないし、「添削」という言葉は意識的に使わないようにしています。
あら探しをするよりも、良い部分を伸ばしてあげることですね。
かと言って、ただ花丸と自分の感想だけ書いて終わりっていう学校の作文指導も、
あれは意味がないですね。どこをどう伸ばせるかをきちんと見極めることが大事です」
金 「“添削をしない”ことが重要ということですね」
鈴 「そうですね」
添削中の原稿用紙
金 「これから執筆、映像、それらに関係した職業に就きたい人へのアドバイスなどはありますか?」
鈴 「そうですね、やっぱり健康は大事ですよね。って、何か普通ですみません。
でもこれが案外大事で、というのは既存の会社に勤めるとか、
サラリーマンとは違った生き方をすることになるわけですから、
社会保険もボーナスもないし、困ったときに誰も助けてくれないんですよ。
気力で乗り切るとはいっても限界がありますから。健康は大事です。
そして何より、健康な体に生んでくれた親に感謝ですね。
平凡なんですけど、それが一番重要だと思います。
規則正しく、早寝早起きが大事です。
絶対にお前が言うなって言われそうですけど(笑)」
貴重なお話を沢山聞かせてくれた鈴木さん。
こんな機会がなければ、絶対に聞けなかったお話です。
僕も執筆の仕事を目指す者の一人として、ここで教わったことを胸に刻み込みたいと思います。
鈴木さん、チェンさん、本当にありがとうございました!
最後に、鈴木さんの将来の夢をお聞きして終わりにしたいと思います。
金 「鈴木さんの将来の夢は何ですか?」
鈴 「短期的な目標としては、30歳までに論作文指導と物書きの仕事だけで食えるようになることです。
現状は副業である塾講師の収入が半分以上を占めているので…
タイリミットが徐々に迫っているので、結構焦りますね。
そして中長期的な目標としては、スーパーの屋上遊園のオーナーになることです!
朝は下のスーパーの開店準備から始まって…
午前中は若い母親の溜まり場として場所提供しつつ、育児相談に乗ったり、
不登校の子や浪人生が勉強しに来たり。
そして午後は小学生が遊びに来て、時々勉強。
夕方になったら中高生に勉強を教えたり人生相談したり。
そして、夜はバーとして営業して、ライブも開催し、会社帰りの人がホッと一息ついて…。
端的にいえば「居場所作り」がしたいんです。
あとは全国規模で毎小、朝小に対抗するような子ども新聞を主宰すること。
読者は小中学生で、記者は高校生や大学生にやってもらうんです。面白そうじゃないですか?」
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
鈴木亮介 ホームページ
http://www.geocities.jp/ryosuke_bellwood/
取材・文 金井 孝介 [PROFILE]














